「スマートビルディングでよく聞くIoTってなんだろう?」「IoTが省エネに関係あるの?」スマートビルディングとIoTの関わりについて、詳しく知りたいと考えていませんか?IoTはスマートビルディングにとって、非常に重要な技術のひとつです。本記事では、スマートビルディングとIoTの関わりについて解説します。IoTを活用したスマートビルディングの事例も紹介しますので、自身のビル運営の参考にしてください。スマートビルディングとIoTの関わりは?スマートビルディングは、AIやIoT、BEMSなどの最新のデジタル技術を用いて、利便性や安全性を向上させた建物です。IoTセンサーにより室内の温度や湿度、大まかな人の流れなどを把握し、それらをAIで分析。照明や空調などの稼働を最適化させます。IoTによりスマートビルディングが成り立っているといっても過言ではないでしょう。本章ではスマートビルディンとIoTを、もう少し詳しく解説していきます。スマートビルディングとはスマートビルディングとは、AIやIoT、BEMSなどの先端技術を駆使して、利便性や安全性を高めたビルのことです。既存のビルをスマートビル化させると、主に以下のような恩恵を受けられます。消費エネルギーの削減経費の削減セキュリティの強化利便性の向上このようなメリットに加えて、CO2排出量の削減やソーシャルディスタンスが社会全体のニーズとして高まっていることがスマートビルディングが注目される背景にあります。また、その市場規模は年々拡大中です。2023年の世界の市場規模は959億6,000万ドルでしたが、2032年には5,680億2,000万ドルになるとされており、年平均21.8%の成長を見せると予測されています。参考:FORTUNE BUSINESS INSIGHTS日本だけでなく世界中で、既存ビルをスマートビル化させる動きがあるといえます。IoTとはIoTは、モノとインターネットを接続し、データのやり取りを行う技術です。今までローカルだったデバイスが、ネット経由で通信できるようになるため、リアルタイムでの情報収集と制御を可能にします。たとえば、照明や空調設備の稼働で、手動でのオン・オフの切り替えが必要だとしましょう。これらの設備をIoTに接続すると、室温や外気温、室内の熱などを感知して、稼働状況を自動的に調節できるようになります。また、監視カメラにもIoTは役立っています。今までは監視カメラにより対象エリアを見張って記録するだけでした。しかし、IoTに接続すると不審な行動を即座に検知し、警告を発することが可能になります。このようにIoTを活用すれば、スマートビルディングの利便性と安全性がより強固なものになるでしょう。スマートビルディングにIoTを活用する理由スマートビルディングでは、ビルの運営効率を向上させるためにIoTを活用します。IoTは、ビル内の設備やシステムをネットワークにつなぐ技術です。IoTでデータをリアルタイムで収集し、AIで分析することでエネルギー消費を最適化し、コスト削減を実現します。また、設備の状態を監視して故障を未然に防ぐ予防保守も可能です。本章では、上記で述べたようなスマートビルディングにIoTが必要な理由を詳しく解説します。エネルギー効率が高まりコスト削減につながるためセキュリティ強化によってビルの安全を担保できるため設備をモニタリングして故障を防止できるためそれぞれ順番に見ていきましょう。エネルギー効率が高まりコスト削減につながるためスマートビルディングにIoTを活用する理由には、エネルギー効率を高めコスト削減につながることが挙げられます。IoTセンサーを使ってビル内の環境をリアルタイムでモニタリングし、AIと組み合わせることで、空調や照明設備の稼働を最適化できます。たとえば、空調設備では温度や湿度、室内の熱などのデータをセンサーで収集します。それらのデータをAIに分析させて、人が集まっている場所と時間帯にだけ空調を稼働させることが可能です。また、IoTにより照明の調整やオンオフの切り替えも自動で行えるようになります。IoTセンサーを部屋に設置すれば、人が入室すると照明がオンになり、人がいなくなるとオフになります。上記のようにIoTの活用により、より効率的な設備の稼働を行えるようになり、コストを削減することが可能です。セキュリティ強化によってビルの安全を担保できるためセキュリティ強化によってビルの安全を担保できることも、スマートビルディングにIoTを導入する理由のひとつです。IoTを搭載した警備ロボットをビル内に巡回させると、リアルタイムで異常を検知できます。不審者や火災、ガス漏れなどを即座に検知でき、ビルの安全性を高めることが可能です。また、ガードマンにタブレットを常備させると、IoTセンサーが検知した異常をリアルタイムで受け取れます。より効率的で迅速なトラブルの対処が可能になるため、ビルのセキュリティ強化につながるでしょう。このようにIoTを活用することにより、ビルのセキュリティが強化され、安全性が担保されるようになるのです。設備をモニタリングして故障を防止できるためIoTは、ビルの重要設備の故障を未然に防ぐ手段として活用できます。IoTセンサーを空調設備やエレベーターなどの電気系統設備に取り付けると、温度や振動、電力消費などのデータをリアルタイムで収集・分析できます。設備の異常な動作や劣化の兆候を早期に察知でき、故障が発生する前に保守を実施することが可能です。これにより予期せぬ修理費用を最小限に抑えて、運用コストを削減することにもつなげられるでしょう。予防保守を行うとビル機能の停止を防ぎ、ビル全体の利便性と安定性が確保されます。IoTセンサーによる設備のモニタリングは、ビルの効率的な運用を支えるために、重要な役割を果たしているのです。スマートビルディングにIoTを導入するときの注意点スマートビルにIoTを導入する際には、技術的な保守管理体制や、コンプライアンスへの対応が重要になります。これらの懸念点を払拭して、IoTのスムーズな導入を目指しましょう。技術的な保守管理への対策IoTの導入においては、技術的な保守管理への対策に注意する必要があります。スマートビルディングでは、IoTデバイスとシステムが連携し一元管理されています。そのため、故障や不具合が発生すると、ビル全体に影響が及ぶ可能性があるのです。これを防ぐためには、技術的な保守管理の体制を強化しておく必要があります。自社の従業員に対してIoTやシステムに関するスキルを習得できる研修を行ったり、専門的なノウハウを有する人材を採用したりするとよいでしょう。また、自社での対応が難しい場合には、専門業者への委託も検討するべきです。適切な保守管理体制を整えると、スマートビルディングを適切に運用できるようになります。コンプライアンスへの対応もうひとつのスマートビルディングにIoTを導入する際の注意点としては、コンプライアンスへの対応も挙げられます。IoTデバイスで収集されるデータには、利用者の個人情報も含まれています。個人情報の管理が不十分だと情報が漏洩する恐れが高まり、社会的な信用を落とす可能性があるでしょう。上記を防ぐには、個人情報の取扱いに関するガイドラインを策定し、すべての顧客とテナントに適切な理解と周知を行うことが重要です。個人情報の管理やシステムのセキュリティ対策については、専門業者に保守を依頼する方法も検討するべきです。また、プライバシーマーク制度を導入する方法も効果的です。プライバシーマークの導入には厳格な審査が求められるため、対外的に個人情報に関する法令や規則を遵守していることをアピールできます。これによりビル全体の安全性と信頼を確保し、スマートビルディングを健全に運用できるのです。スマートビルディングとIoTの事例スマートビルディングにIoTを導入して成功した事例を紹介します。東京ポートシティ竹芝渋谷ソラスタ上記の事例をチェックして、IoTを導入する際の参考にしてください。東京ポートシティ竹芝東急不動産が管理する東京ポートシティ竹芝は、ソフトバンク本社が入居するビルです。IoTを活用してビル全体のエネルギー管理と快適性の向上を図っています。具体的には、IoTセンサーを各フロアや会議室に設置して、室内の温度や湿度、CO2濃度などの環境データをリアルタイムで収集・分析。収集したデータを基に、AIが自動で空調設備を調整して、最適な環境を維持します。また、IoTで照明の自動調整やエレベーターの効率的な運行管理も行っており、省エネ化や運用コストの削減も実現しています。渋谷ソラスタ東急不動産が道玄坂で開発推進していた渋谷ソラスタも、IoTを活用してビル運用の最適化を図っています。このビルでは混雑状況や空調、一人ひとりの位置情報をリアルタイムで把握できるシステムを導入しています。空調設備は、パソコンとスマートフォンで制御できるため、稼働させるためにフロアを行き来する必要がありません。また、位置情報もパソコンで可視化されています。フリーアドレスの企業では従業員の在籍の有無や所在をチェックできるシステムを採用しています。このように渋谷ソラスタでは、IoTを駆使して従業員やテナントに対して、利便性に優れた空間を提供しているのです。まとめ本記事では、スマートビルディングとIoTの関わりについて解説してきました。IoTはスマートビルディングを効率よく運営するために欠かせない技術です。株式会社メンテルでは、スマートビル化をサポートするアプリケーションやソフトウェアを開発・提供しています。IoTをビル運営に取り入れたいとお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。